「代理」とは、ある人(代理人)が本人に代わって法律行為を行い、その結果が直接本人に帰属する仕組みのことです。
たとえば、不動産の売買契約を代理人が締結した場合、その契約の効果は代理人ではなく、本人に帰属します。
代理が成立するためには、代理人が「本人のために行うことを示して」意思表示をする必要があり(=顕名)、これがなされない場合、本人には効果が及ばず、代理人自身の行為として扱われることになります(民法第99条)。
代理には、大きく分けて次の2種類があります。
- 任意代理
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本人の意思に基づいて代理権が与えられるもので、委任契約や委任状の交付などにより成立します。
不動産取引では、たとえば売主が遠方に住んでいるときに親族や不動産業者を代理人に立てるケースなどが該当します。 - 法定代理
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法律の規定により当然に認められる代理です。
たとえば、親が未成年の子どもの法律行為を代理する場合などがこれにあたります。
代理は、本人が直接行動できない場面でも法律行為を有効に成立させるための制度であり、正しく成立すれば、代理人が行った行為は本人が行ったのと同じ効力を持つことになります。