「SPC」とは、「特別目的会社(Special Purpose Company)」の略で、特定の資産やプロジェクトを管理・運用するために設立される会社のことを指します。不動産の分野では、主に資産の流動化や大規模な資金調達を目的として活用されることが多く、不動産証券化や再開発プロジェクトなどでよく登場します。
たとえば、大規模なビルや商業施設などの収益不動産を証券化する際、オリジネーター(資産の保有者)がその資産をSPCに移転し、SPCがその資産を担保にして投資家から資金を集める仕組みが一般的です。SPCは、資産の管理や収益の分配を行う主体となり、プロジェクトのためだけに機能する「箱」として設計されます。
このように、SPCは投資対象となる資産とその他の事業リスクを切り離し、資産ごとのリスク管理を可能にする点が大きな特徴です。特に不動産のように高額で長期的な資産運用が必要な分野では、金融スキームの中核を担う存在となっています。