盛土・切土とは もりど・きりど

「盛土・切土」とは、造成地の地形を整えるために行われる代表的な土地造成の手法です。

まず「盛土(もりど)」とは、地盤が低い場所や傾斜がある土地に土を盛り上げて、平坦な地面を作る工事のことを指します。盛土は、斜面だけでなく、水田や湿地などを宅地にする際にも使われることが多く、谷や窪地などを埋めて平らに整える目的でも行われます。

盛土によって形成された地盤は、もともとそこにあった自然の地盤ではなく、新たに盛られた土で構成されているため、沈下や地盤の緩みが生じやすいという特徴があります。特に、転圧(締め固め)や地盤改良が不十分な場合は、地震や大雨などの自然災害による被害を受けやすくなります。一般に、盛土の地盤が落ち着くまでには数年かかり、地中に異物(石や木くずなど)が混ざっていると、さらに時間がかかることもあります。

一方、「切土(きりど)」は、高い地形や傾斜のある土地を削り取って平らにする工事です。元から存在していた地盤を活用するため、地盤がしっかりしていて、比較的安定しているとされます。特に、山間部や丘陵地で行われる切土は、地盤の均質性が高く、建物を建てる上でも安全性が期待できます。

ただし、注意が必要なのは、盛土と切土が接する部分です。この境界付近は、異なる地盤の性質が混在しており、地盤の不均一による沈下や傾きなどのリスクが高いとされています。造成された土地を選ぶ際には、こうした地盤構成にも十分に目を向けることが大切です。