「用途地域」とは、都市計画法に基づいて市街地の健全な発展や住環境の保護を図るために定められる地域の区分で、都市計画区域内に指定されます。用途地域ごとに建てられる建物の用途や規模などに制限が設けられており、土地の利用目的に応じた秩序あるまちづくりを進めることを目的としています。
用途地域には、住居系・商業系・工業系の3つの系統があり、さらに細かく分けて合計13種類が定められています。たとえば、「第一種低層住居専用地域」では低層の住宅が中心となる静かな住環境が守られ、一方、「商業地域」では店舗や事務所ビルなどの建築が可能です。
地域によっては建物の高さや容積率、さらには建てられる建物の種類にまで制限が設けられており、これにより用途の混在を防ぎ、地域の特性に合った街並みを形成します。
用途地域は快適で安全な暮らしを実現するための基本的な枠組みであり、都市全体のバランスを保つためにも重要な制度といえます。