「土地境界」とは、ある土地と隣接する土地との間にある境目のことをいいます。
住宅地や道路などで、地面に金属や石、プラスチックなどでできた小さな標(しるし)が埋め込まれているのを見かけることがありますが、これが「境界標」と呼ばれるもので、土地の境界を示すために設置されています。
一見すると、この境界標のある位置が土地の境界だと考えがちですが、実は「境界」には法律的に異なる2つの概念があります。それが「筆界」と「所有権界」です。
🏠 境界に関する2つの考え方
- 筆界 (ひっかい)
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法務局に登記された土地の区画を示す線のことです。
もともとは明治時代の地租改正の際に確定されたもので、その後も土地の分筆や合筆によって新たな筆界が形成されています。
筆界は、登記上の区切りとして公的に認められている境界です。 - 所有権界 (しょゆうけんかい)
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土地の所有者同士が取り決めた境界で、実際の利用状況や売買の内容によって決まることがあります。
筆界と一致することもありますが、状況によってずれることがあるため、両者は必ずしも同じとは限りません。
土地の境界に関するトラブルを防ぐためには、目に見える境界標だけでなく、登記簿や図面、土地の利用履歴などをもとにした正確な境界確認が重要です。