供託とは きょうたく

「供託」とは、金銭や有価証券などを法務局にある「供託所」に預けて、一定の法律上の目的を果たすために利用される制度です。
トラブルや手続き上の事情により直接相手にお金を渡せないときなどに、代わりに国に預けることで、法律的に支払いや義務を果たしたとみなされる仕組みです。

供託の主な種類
弁済供託 (べんさいきょうたく)
お金を支払いたいのに、相手が受け取ってくれないときに使います。
例えば、賃貸物件で借主が家賃を支払いたいのに、家主が受け取りを拒否しているような場合、借主が家賃を供託所に預けることで「支払った」と扱われます。
執行供託 (しっこうきょうたく)
裁判や強制執行の場面で利用されます。
例えば、差し押さえを実行する際に、一時的にお金を供託することで、法的手続きが進められます。
保証供託 (ほしょうきょうたく)
将来発生するかもしれない損害や義務に備えて、あらかじめお金を供託しておくものです。
例えば、税金の納付を猶予してもらう際に、税務署から「万が一のために供託してください」と求められるケースなどがあります。
没取供託 (ぼっしゅきょうたく)
特定の目的に使われることが前提で供託されるものですが、条件を満たさなかった場合は没収される供託です。
例としては、選挙に立候補する際に供託金を納める制度があり、一定の得票数に達しなければそのお金は返還されず没収されます。
保管供託 (ほかんきょうたく)
特にトラブルがあるわけではないが安全のため一時的にお金などを供託所に預けておく制度です。

供託の手続きは、供託所(法務局)で行います。どの供託所を利用するかは、供託の種類によって異なります。

また、預けた供託物を受け取る手続きには「還付請求」や「取戻請求」といった方法があります。