「公正証書」とは、公証人が作成する公文書のことで、契約や遺言などの内容を明確にし、法律紛争を未然に防ぐことを目的とした文書です。作成された公正証書には高い証明力と執行力があり、裁判になった際にも有効な証拠として扱われます。
公正証書は、主に次の2種類に分けられます。
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法律行為に関する公正証書契約書や遺言書など、当事者の法律行為の内容を明記したもの
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私権に関する事実についての公正証書知的財産権の管理、貸金庫の開扉、尊厳死の宣言など、特定の事実を証明するもの
公正証書は、公証人が当事者(私人)からの依頼(嘱託)に基づいて作成します。作成手続きや形式は、公証人法(明治23年法律第53号)により厳格に定められています。
よく利用される公正証書には、以下のようなものがあります。
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遺言公正証書民法第967条に定められた「普通の方式による遺言」の一つ。遺言の内容を公証人が文書にして保管します。
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離婚に関する公正証書(離婚給付等契約公正証書)離婚に伴い、養育費や慰謝料、親権者の指定などについて当事者が合意した内容を記載したものです。
なお、公正証書の作成には費用がかかります。費用額は法律に基づいて定められており、内容によって異なります。具体的な金額や必要書類については、公証役場または公証人に事前に確認するとよいでしょう。