「居抜き」とは、前の入居者(テナント)が使用していた内装や設備をそのままの状態で残したまま、物件を売却または賃貸することを指します。主に飲食店や美容室、旅館、工場、小売店舗など、営業に特化した施設で多く見られる形態です。
新たに入居する側は、内装工事や設備導入の手間を大幅に省くことができるため、初期費用や準備期間を抑えてスムーズに事業を開始できるのが特徴です。
居抜き物件のメリット
-
初期費用を節約できる既存の内装や設備を活用することで、改装費や設備投資を大幅に抑えることが可能です。
-
開業までの時間を短縮できる内装工事や設備の設置が最小限で済むため、契約から開業までの期間が短くなり、余分な賃料負担を軽減できます。
-
既存顧客や地域の認知を引き継げる可能性がある前テナントの業種や立地によっては、すでに地域で認知されており、開業直後から一定の集客が期待できる場合もあります。
-
早期に収益化しやすいコストが抑えられる分、事業の黒字化までの期間が短縮されやすくなります。
居抜き物件のデメリット
-
前テナントのイメージが残ることがある店舗の雰囲気や評判が強く残っている場合、新たな業態やブランドの印象を築くのに時間がかかることがあります。
-
撤退理由に注意が必要立地や集客力、設備の不具合など、前テナントが退去した背景にリスクが潜んでいる可能性もあります。
-
設備が使えない場合がある見た目は整っていても、実際には故障や老朽化で再利用できないケースもあるため、事前の確認が重要です。
-
内装やレイアウトの自由度が低い既存の造作を活かすことが前提となるため、自分好みに変更しづらい面があります。
居抜き物件はコストやスピードの面で大きな利点がありますが、入居前の現地確認や設備状態のチェック、撤退理由の把握が特に重要です。うまく活用できれば、事業のスタートダッシュに大きく貢献します。