「コーポラティブ方式」とは、入居希望者が自ら組合を結成し、共同で集合住宅(マンションなど)を建築する手法のことです。
建売住宅や分譲マンションのように完成済みの建物を購入するのではなく、入居者自身が土地の取得から設計・建築までを主体的に進める点が大きな特徴です。
この方式では、将来の入居者が住宅建設組合をつくり、その組合が事業主となって、設計事務所や施工会社と契約し、住宅を建てていきます。
🏗 コーポラティブ方式の一般的な流れ
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参加者の募集・住宅建設組合の結成土地の候補地に関心を持つ人たちが集まり、組合を結成します。
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土地の取得と資金計画組合が共同で土地を購入し、金融機関と融資契約を結びます。
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設計打ち合わせ各住戸の間取りや設備・内装などを、建築家と相談しながら決めていきます。
各住戸の仕様はそれぞれ自由に決めることができ、キッチン・浴室の位置や設備、床材・壁材の仕上げなども各家庭ごとに設計できます。 -
工事契約・着工施工会社と契約し、建設工事が始まります。
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竣工・引き渡し建物完成後、各住戸が組合員に引き渡されます。
特徴とメリット
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各住戸ごとの自由設計が可能間取りや設備、内装などを個別に選べるため、画一的な分譲住宅とは異なり、自分たちのライフスタイルに合った住まいを実現できます。
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コストを抑えやすい建築費は原価ベースで構成されるため、条件によって分譲より安くなることがあります。
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コミュニティの形成計画段階から入居者同士で協力しながら進めるため、自然と交流が生まれ、入居時の安心感があります。
デメリット・注意点
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時間と手間がかかる組合の立ち上げから完成までに1年半〜2年程度が目安で、打ち合わせの回数も多くなります。
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初期費用が必要建物完成前から支払いが発生するため、取得費用の1割程度の自己資金が必要となる場合があります。
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一定の関与と判断が求められる設計内容や資金計画など、自ら意思決定する場面が多くあります。