「SRC造」とは、「鉄骨鉄筋コンクリート造(Steel Reinforced Concrete)」の略で、鉄骨の周囲を鉄筋コンクリートで包む構造形式です。鉄骨造(S造)と鉄筋コンクリート造(RC造)の長所を併せ持ち、主に高層建築や広い空間が求められる建物に用いられています。
SRC造の主な特徴
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構造的な強さと安定性鉄骨が建物の骨組みとして内部に組み込まれ、その周囲を鉄筋コンクリートで固めることで、非常に高い耐震性と耐久性を実現しています。地震が多い日本において、高層マンションや大規模ビルで多く採用されています。
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空間の有効活用RC造と比べて柱や梁をスリムに設計できるため、室内空間を広く確保しやすく、間取りの自由度が高くなります。
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優れた遮音性・耐火性コンクリートが音や熱を遮る性質を持っているため、生活音の遮断や火災への備えにも優れた構造です。
注意点やデメリット
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建物が重くなる鉄骨とコンクリートを組み合わせるため、建物全体の重量が増加します。地盤への負担も大きくなるため、基礎工事などに配慮が必要です。
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コンクリートの寿命への影響鉄骨を包むコンクリート部分には、RC造と同様に経年劣化が生じます。定期的な点検やメンテナンスが重要です。
SRC造は、強度・安全性・快適性に優れた構造ですが、建物選びの際には建築コストや用途、維持管理の面も含めて総合的に判断することが大切です。