両手、片手とは りょうて、かたて

「両手」「片手」とは、不動産取引における仲介手数料の受け取り方を表す用語で、不動産会社が売主・買主のどちらを担当し、どちらから手数料を受け取るかによって呼び分けられます。「手」は「手数料」の略です。

「両手取引」は、不動産会社が売主と買主の双方から仲介の依頼を受け、両方から手数料を受け取る形態を指します。
この場合、一社の不動産会社が取引の両側を仲介するため、売主と買主の間に入るのは基本的に一社のみです。たとえば、自社で売却物件を預かっていると同時に、買主も自社で見つけた場合などがこれにあたります。売主・買主それぞれから、法律で定められた上限(売買価格の3%+6万円など)の範囲内で手数料を得ることができます。

一方で「片手取引」は、売主または買主のどちらか一方のみを担当し、手数料もその依頼者からのみ受け取る形です。たとえば、売主と買主がそれぞれ別の不動産会社に依頼している場合などがこれに該当します。

両手取引は、一社で取引全体を完結できるためスムーズに進む一方で、利益相反(双方の利益を公平に取り扱えるか)に注意が必要です。そのため、両手・片手のいずれの場合も、依頼者の利益を最優先にした公正な対応が求められます。