「売却査定」の真実

「自宅を一括査定!大手業者5社がする一括査定サイト!」
自宅を売却しようかなと思ったときに最初に目に入るのがこうした広告ですね。もしあなたがこういったサイトを通じて査定を依頼するとしましょう。大手5社の営業マンがあなたの自宅を入れ替わり立ち代わり査定書をもって訪問してきます。査定書は一番高い査定額をつけたA社から最も低いE社まで揃います。

この時、あなたはどの会社に自宅の売却を任せようと思うでしょうか。やはり一番高い査定額を出したA社が有力ですよね。でも、ここでちょっと立ち止まって考えてみましょう。本当にA社の査定額で自宅が売却できるのでしょうか。
もしも、A社が自宅をその査定額で買取ってくれるのであれば、それは間違いなくA社を選択すべきですが、実際にはそうではありません。A社は単にその査定額で広告を作成して販売活動をするだけなのです。

では、逆に、あなたが買主の立場で物件探しをしたとしましょう。
その時、相場よりもやけに高い価格をつけた物件を購入候補にあげるでしょうか。

一般的に購入者は「なんとか相場より安く購入できる物件はないだろうか。」という気持ちで物件を探します。
相場より高い物件であれば、相場の価格帯まで価格が下がるのを待つか、「相場の価格であれば購入しますよ」という値下げ交渉をすることになりますよね。

物件探しをしている人のイメージイラスト。「4000万円」と書かれたA社の不動産広告を見て(良いけど高い…)と思っている
購入者は「なんとか相場より安く購入できる物件はないだろうか」という気持ちで物件を探しています。

結果として、査定額が一番高かったA社でしたが、一番安かったE社の査定額まで値引して売買が成立したとすれば、ただ成約できるまでの期間が長期に渡ってしまっただけということになってしまうのです。

売却開始 3ヶ月経過… 半年経過… 1年経過…
A
査定額が一番高い
査定額
4000万円
4000万円
売れるかな…
3700万円
値下げしよう…
3500万円
やっと売れた…!
相場
3500万円
E
査定額が一番低い
査定額
3500万円
3500万円
売れた!!
相場
3500万円
F
参考:買取の場合
買取価格
2600万円
売却完了!!
  • 業者買取の場合、市場価格(相場)の7~8割程度での買取が目安になります。
  • 買取について参考:家を売る方法
相場
3500万円

つまり、査定額の高い低いだけで自宅の売却価格を期待するのではなく、その査定額はどのような根拠に基づいて査定したものであるのかということが重要だということになるのです。

5人の営業マンから査定額の根拠を聞く時、「売主の気持ち」でいると甘い言葉に乗ってしまいがちですが、「買主の気持ち」を持って聞くことが出来れば、しっかり査定をした信頼できる営業マンを選択することが出来るでしょう。その上で、あなたが自宅の売出価格を決めれば良いのです。