「ピロティ」とは、建物の1階部分に壁を設けず柱だけで支えることで、空間を開放した建築形式を指します。
語源はフランス語で「杭(くい)」を意味し、近代建築の巨匠ル・コルビュジエが提唱した建築理論の一つでもあります。
この形式では、1階部分が駐車場や通路などの開放スペースとして利用され、2階以上を居住空間として効率的に活用できるのが特徴です。 敷地が限られている都市部では、限られた面積を有効に使えることから、多くの集合住宅や戸建て住宅で採用されています。
また、建築基準法における容積率の算定では、ピロティ部分が条件を満たしていれば延べ面積に算入されないため、居住部分をより広く確保できるというメリットもあります。
ただし注意点として、建物を柱だけで支える構造であるため、耐震性の確保が特に重要です。設計や構造計算が不十分な場合、地震時に「1階だけが倒壊する」といったリスクが指摘されることもあります。
現在では、構造設計の工夫や補強によって、こうした弱点を克服したピロティ建築も増えています。