「仮差押え」とは、債権者が債務者の財産を仮に差し押さえ、財産を処分できなくする手続きを指します。
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債権の保全債権者が債務者に対し金銭債権を有していたとしても、債務者がその存在や内容を争う場合には、債権者は最終的に民事訴訟を経て債務名義(判決など、権利の存在及び内容を示す文書)を取得し、これに基づいて強制執行をする必要があります。しかし、訴訟の進行中に債務者が財産を処分してしまうと、勝訴しても強制執行が困難になる可能性があります。
そこで、この「仮差押え」の制度が用意されており、債権者は裁判所に仮差押えの申立てを行い、一定の要件を満たせば、訴訟の確定前に債務者の財産の処分を禁止する措置を講じることができます。 -
財産の処分禁止仮差押えをすることにより、債務者は財産を処分することができなくなります。財産とは、具体的には預金口座や不動産などのことで、仮差押えすることで、債務者は預金を引き出せなくなったり不動産を売却できなくなったりします。
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心理的なプレッシャー財産の処分ができなくなることにより、債務者に心理的なプレッシャーをかけることができるのも、仮差押えの大きな効力だと言えます。
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供託金の必要性仮差押えをするためには、供託金が必要です。これは、債権者が裁判で負ける場合もあるからです。その場合、債務者は仮差押えによって被った損害を債権者に請求することができます。この損害賠償を担保するため、仮差押えをする際には、供託金の提出が必要とされています。