「私道負担」とは、所有する土地やその利用に関連して、私道に関わる制限や負担が生じることを指します。
実務上は、次の2つの意味で使われることが多く、場合によっては両方が該当することもあります。
① 敷地の一部が私道として利用されている
敷地の一部が他者の通行用に供されている場合、その部分には建物を建てたり、塀や門を設置したりすることはできません。たとえ自分の所有地であっても、通路として利用されることで実際の土地利用に一定の制限が生じることになります。
また、私道部分の面積は建ぺい率や容積率の計算から除外されます。
② 敷地に接している道路が私道で、その私道の利用に伴う負担がある
敷地の接道が私道の場合、その通行や利用のために、私道の維持管理に関する負担が発生することがあり、たとえば、舗装の修繕費・除雪費・清掃費などの費用を、他の私道利用者と分担することが求められる場合があります。
また、通行権の確保や利用条件について、他の関係者との調整が必要になることもあります。
私道負担のメリットとデメリット
【メリット】
- 公道に接していない土地でも、私道を利用することで建築が可能となる場合がある
- 私道利用者同士で協力して、美化や整備を行いやすい
【デメリット】
- 土地の一部に利用制限が生じる可能性がある
- 私道の維持管理費用がかかる
- 私道利用者間でトラブルが発生することもある
私道負担の確認方法
私道負担の有無や内容は、以下の方法で確認することができます。
- 登記簿謄本(表題部・権利部)
- 地積測量図・公図
- 不動産登記簿附属書類(位置指定道路の記録など)
- 都市計画図
- 現地調査(幅員や舗装状況、通行の実態など)
私道負担のある土地を購入する際の注意点
私道負担の位置や面積、内容について、事前にしっかり確認しておくことが大切です。私道利用者との関係性や、維持管理の取り決めについても理解しておきましょう。
将来的な費用負担やトラブルのリスクも踏まえて、慎重に検討することが望まれます。